チセに見る素材使い

札幌市南区小金湯「札幌市アイヌ文化交流センター」に、
再現されたチセ(アイヌ民族の家)があります。




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地面から直に立てた丸太の柱。
柱は水平に架け渡された丸太の梁を支えます。
梁からは屋根の勾配を形作る斜めの細い丸太が、幾本も上へ向かって伸びています。

チセで使われる木材は、地域によっても違いがあるようですが、
ミズナラ(ペロニ)、ハンノキ(ケネ)、アオダモ(イワニ)、ヤチダモ(ピンニ)、
ハシドイ(プンカウ)、カツラ(ランコ)、クリ(ヤムニ)、カシワ(トゥンニ)など、
腐りにくく比較的加工しやすい木が選ばれるようです。




丸太の結合部はヤマブドウやコクワ(サルナシ)の丈夫な蔓で結わい付けられます。
シナノキの皮(ニペシ)を縄に縒ってして結う場合も。



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丸太の木組みのすぐ外側にはスダレが取り付けられ、



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さらにその外側に茅(ヨシ ススキやチガヤ)、笹(チシマザサ)などの茎で、屋根も壁も葺かれています。



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床にはまず茅(ヨシ ススキ)をバラで敷き詰め、
その上に茅で編んだスノコ(ソッカラ)とガマで編んだゴザ(キナ)を敷く。



チセはストロー構造の植物茎を幾重にも重ね、
保温性断熱性のとても高い屋根と壁と床に覆われた空間になっていたのです。



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茅茎の空洞部分にある空気の存在が、断熱材のような働きをします。



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屋根も壁も茅ですっかり覆われたチセの外観。



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身近にある素材だけでつくる究極シンプルな住まい。
巧みな使い方の数々は、そのまま今に生かせなくても、
いろんな示唆に富んでいます。



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十勝のカラマツ 製材編

日本の森林で生長する木の量は1年間で8000万立方メートルとされているそうで、
この内、おおよそ2000万立方メートルの木材が国産材として生産されています。

十勝 幕別町のオムニス林産協同組合が1年間で生産する木材量は6万5000立方メートル。
hausgrasの設計する木造2階建ての家で延べ床面積40坪は、25〜30立方メートルの木材を使いますから、
おおよそ2500棟分ということになります。
日本国内では指折りの規模。

オムニス林産協同組合では、パレットや梱包材などの物流資材を主に生産しています。


「パレット」というのは、物流に欠かせない荷台スノコのことで、
フォークリフトの爪が入るような作りになっています。


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まず丸太を選別。
丸太の太さや、丸太の元末(根元と幹上)を人の目視で分けていきます。


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丸太の太さは13段階。
仕分けされた丸太を土場に積む重機。


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皮をむかれた丸太は、製材機にかけられます。
このスウェーデン製のチップキャンター&クォードソーは、
丸太の丸い部分をとても効率よく板に製材し、同時に端材をチップ化するマシン。


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1回通しただけで、丸太から4枚の板とタイコ型の丸太ができます。
2回目にタイコ型の丸太を通すと、さらに4枚の板と角材ができるという優れモノ。


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製材でネックになるのが、丸太の丸い部分をどれだけ効率よく処理できるかです。
北欧やドイツでは、山から切り出される丸太の状態が日本より均一で、選別の手間が少なく済むことに加え、
こんな効率のよいマシンで製材するなどして木材単価を下げる工夫をしているそうです。





平面ができてしまえば、その後の製材加工は難しくありません。
ラインの乗って、どんどん部材化されていきます。


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ほとんど無人の製材ライン。





部材が積まれる前の検品は、やはり人が目視で行います。
機械では細かな判別はできません。


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桟積みされたトドマツの梱包部材。
この後、スチーム乾燥機で人工乾燥されます。






所変わって製材工場脇に集められた木片の山。
製材の端材はチップにされて、製紙の材料に。
オガ粉は畜産業者さんが引き取り、堆肥の材料に。
木材は全部、有効な使い道があるのです。


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そしてこちらは、土場に積まれた乾燥済みのカラマツの梱包部材完成品。


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瀬上さんからカラマツ板について聞いています。
現在、北海道のカラマツの8割がパレットや梱包材として製材され使われているそうです。
そしてそのほとんどが関東へ。

今、北海道の山には樹齢50〜60年の大きく育ったカラマツが多くあるそうで、
カラマツを北海道の家づくりに生かしたいと思っている方が少なくありません。

瀬上さんは十勝のカラマツで物流資材を生産しつつ、
家づくりに使われるカラマツ無垢材の柱、梁、板材を提供する努力をされています。



ここの存在が、
十勝の木で家づくりをしたい、北海道産の無垢材を使いたいという方々に知れれば幸いです。





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