墨付けと刻みの風景

hausgrasの手掛ける札幌 中央区の家は、
1階が鉄筋コンクリート造、2階が木造の混構造。

現場では1階のコンクリート工事が進んでいますが、
一方、2階の木造工事は、別の場所で柱と梁の墨付けと刻みが始まりました。

木造軸組みの加工は縁があって、栗山町の「株式会社 たいせつ」さんに依頼。
あの「木の城たいせつ」の木工場です。

そこで建主さんご家族と栗山町の木工場に、墨付けと刻みの様子を見学しに行きました。




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木工場に入ると、まずその広さに驚きました。
2階建て延べ床面積が5900平方メートルということですから、
この1階部分は3000平方メートル(900坪)くらいあるでしょうか。




この墨付けされているのは登り梁(のぼりばり)です。
断面 105ミリ×300ミリ 長さ4メートルを超えるトドマツ集成材。
歌登(うたのぼり)の山で伐り出されたトドマツが、
下川町の集成材工場で乾燥、製材され、ここに運ばれて来ました。

この登り梁は屋根を支え、家を形づくる重要な構造材で、札幌 中央区の家では20本使用。
登り梁は屋根の勾配と同じく傾斜しているので、木と木の接合部(仕口)が斜めになります。
通常のプレカットマシンでは傾斜部分の加工に対応できません。
ですから、大工職人さんが一本一本に墨付けをして、その墨に従って加工をしていきます。


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墨付けしている方の真剣さが伝わるのか、お子さんたちの見る目も真剣です。




墨付けの済んだ登り梁は機械で荒削りされます。
この作業も機械任せではなく、職人さんが一ヶ所一ヶ所、墨を追いながら加工していきます。


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機械で荒削りされると、今度はノミと玄翁に持ち替えて、仕上げ削りされます。



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加工が済んだ登り梁。





雇いサネを用いた梁の継手に、蟻ホゾの仕口がある梁が架かる原寸模型。
組合わさっているものを見ると、その仕組みがよくわかります。



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こちらは柱の加工の様子。
窓枠の切り込みや胴縁という壁下地の切り込みをハンディルーターでしています。



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この家の柱は、トドマツの無垢材を使います。
歌登のトドマツで正真正銘の北海道産。トドマツの木地色は白くてとても美しい。




土台と大引きはめり込み強さのあるカラマツ集成材を使用。下川町森林組合の製材品。



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来週末には、これらバラバラに加工された木材が組まれてひとつの家になります。

いろんなルーツを持つ素材が集まり、
そしてたくさんの人々に関わり、協力を得ながら家ができていく様子は、何度見ても感慨深いものがあります。




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温水セントラルヒーティング 室内の温度差

札幌では11月に入り、日中の気温は10℃前後、朝晩は5℃くらいまで下がるようになりました。
ただ今、我が家の温水セントラルヒーティングは夜から明け方にかけて、室温センサーで自動運転しています。
運転開始の目安となる室温の設定温度は19℃くらい。温水の出温度は55℃。




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ボイラーで作られた温水は、この銅管の回路を通って各パネルヒーターへ送られます。



窓下に設置されたパネルヒーターは丸い配管を平たくツブしたような構造。
大きな表面積に変形されたことで、温水の熱がここでたくさん放熱されるのです。



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高気密高断熱化された家では、寒さの原因は窓ガラスに集中しています。
その熱的な弱点の窓下にパネルヒーターを設置することで、
最も効果的で省エネな寒さ対策となるのです。

極端に温度が低いところなくなり、空気の流れも緩やかならば、
室温17〜18℃でも快適に過ごせます。
ちょっと服は多く着ることになりますが、室温はなるべく低めで暮らすほうがよいことが多いです。

例えば、外の気温が0℃以下のときに室温を20℃以上にすると、
室内の乾燥感が増して、喉や肌は不快感を覚え、風邪をひき易くなってしまうデメリットが生じます。



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北海道 札幌など寒冷地では、
冬の快適な室内空気環境の目安となる数値があります。

室内温度 20℃前後
室内の温度差 2〜3℃以下
室内の相対湿度 40%前後
室内の空気流 0.15〜0.20m/秒以下(人肌に感じられない空気の流れ)

hausgrasの手掛ける家の室内は、
これらの数値もひとつの目標として計画し、建築しお引き渡しいたしますが、それだけでは充分でなく、
日々気持ちよく暮らしていただくために、住み始められてから随時ご意見をさせていただきます。
快適な室内環境は断熱性、気密性、窓の性能、暖房設備の計画、換気の計画、住む方の日々の観察と対応、
これら全てが協調してようやく達成できるのです。






さて、温水セントラルヒーティングが稼働中の自宅室内。
今回は各所の温度差はいかほどか、天井、壁、床を「赤外線放射温度計」で測定してみました。

「赤外線放射温度計」とは、
物や素材から常に放射されている赤外線エネルギーをとらえて、それらの表面温度を測定する温度計です。

家の主な素材の赤外線放射率は、

木が0.90〜0.95
漆喰が0.90
石膏が0.80〜0.85
コンクリートが0.95
ガラスが0.85
鉄が0.85
タイルが0.80

素材によって放射率を変更して測定します。



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2階の板天井。20.1℃




2階の漆喰壁。19.6℃



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2階の板壁。19.3℃




2階の板床。20.9℃
これは先程まで陽射しに温められていたからかもしれません。



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陽射しが当たっている板床は24.7℃



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窓ガラス。17.5℃
まだ真冬ではなく、外の気温もこの日は13℃くらいありますからガラスの温度も高め。



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1階コンクリート壁。19.8℃




1階コンクリート床。19.6℃



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温度差は2℃以内。
なかなかよい状態です。




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