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木にオスモを塗る

hausgrasの手掛ける家では、木にはオスモ(OSMO)というオイルステインを塗ります。

ドイツの木材トップメーカーが「木に最適な塗料とは」と、研究し開発したのがこのオスモ。
主成分はひまわり油、大豆油、アザミ油などの分子が小さい天然植物油で、
木により深く浸透して、撥水性(はっすいせい)と耐摩耗性を出現させます。
それでいて、木のよい肌触りをそのまま感じることができ、
木が湿気の吸収放出を繰り返すことで室内の調湿をするというよい性質を妨げません。

オスモは簡単に塗り重ねができ、そうすることで木の古びていく様も味わい深くなり、
人が木に感じる本来のよさをずっと感じ続けられる塗料なのです。

合成樹脂塗料(ウレタン、アクリルなど)による塗膜で、木をパックしてしまう塗装とは全く違います。



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ただ今、工事進行中の札幌 中央区の家の外壁は、
製材工場で挽き割ったそのままの、表面がザラザラと毛羽立ちした板。
こういう板はオスモの有効成分がより多く木に浸透残存するので、板の耐候性・耐腐朽性が高くなります。



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オスモを塗るのに、職人さんのような高い技術は必要ありません。
表面に塗り伸ばしたオスモは、しばらく置くと木の内部へ浸透していくので、
木の表面に塗りムラというものがほとんど発生しないのです。



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札幌 中央区の家の外壁板は250枚。
おおよそ3日の作業で外壁板のオスモ塗装は完了。



現場で張られた外壁板。よい感じの色合い、風合い。
この横向きの板の張り方は、「イギリス下見張り」とか「よろい張り」とか呼ばれ、
北海道で多く見られる外壁の意匠です。



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そして、オスモのもうひとつ特筆すべきことは、
天然の植物樹脂成分の割合が、他のオイルステインに比べてとても多く、
そのうえ、浸透性能や乾燥性能を高めるために、止むを得ず配合される有機溶剤(鉱物油)に、
有害成分を除去し、揮発が速やかな「ホワイトスピリッツ」を使用していることです。

住み始めてから塗装メンテナンスをするのは建主さんです。
ですから、塗料の安全性が高いことに越したことはありません。



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今回、建主さんご夫妻に室内の天井板を塗っていただきました。
塗装の要領を経験しておくと、後の塗装メンテナンスの際に役立つことも多いのです。
そして、オスモの塗装は意外と簡単な作業だと感じていただくことも大事。
必要なときには躊躇なくメンテナンスをお願いします。



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赤レンガを積む

明治から昭和時代に積まれた赤レンガの建築や壁がまだ残る少なからず札幌。
札幌に住み始めて、度々それらを目にすることになり、
いつしか自分もこの赤レンガを積んでみたいと思うようになりました。

幸いなことに、札幌近郊の江別 野幌でまだいくつかの煉瓦工場が赤レンガを焼いていました。
何度か煉瓦工場に足を運び、増々親しみを感じるようになっていきます。



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特に無造作に外に積まれ、もう何年も放置されている古い赤レンガの姿は、
物悲しくもあり、逞しくもあり、とても印象深いものでした。



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そんな古い赤レンガを千数百枚買い取り、
札幌 円山の家の1階外壁として積むことになりました。




レンガは世界中至る所で焼かれ使われていた、建築の素(もと)のような素材です。

どこにでもある土と、1000℃熱で焼ける窯さえあれば、比較的簡単に作れる原初的な焼き物。
しかもその大きさは地域差がほとんどないと言います。おおよそ、60ミリ×100ミリ×220ミリ。
人が取り扱うのに丁度よい大きさであり、かつ、
粗積造建築の素材として丁度よい形と大きさということなのでしょう。

しかも、レンガをただ並べ積み上げていけば、重厚な壁で囲まれた建築空間ができてしまいます。
この単純明快さは、どんな建築素材にも勝るのではないでしょうか。

レンガは人が焼いて作り上げるものですが、
人と建築に関わる、必然的、絶対的な素材なのかもしれません。






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札幌 円山の家に積むことになった赤レンガは、
通常のレンガを半分にした大きさ 65ミリ×65ミリ×210ミリ、その形から通称「ようかん」と呼ばれます。

底面が小さい分、上方にきちんと積んでいかないと安定した壁になりません。



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ほとんど目測で水平、垂直を見ながら、テンポよく並べて積んでいきます。

不安定なようかんレンガと、人の見た目といういい加減さが相まって、
とても味わい深い赤レンガの壁が積上りました。



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2008年の夏休みは、この赤レンガ積みの作業に費やされました。
とても暑い夏でした。






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完成したばかりの赤レンガの壁を祝福するような咲いた、
南側のコスモスと西側のムクゲ。




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家づくりでつながっていくこと

立ち上げたばかりの「hausgras」。
昨年は2組の方々とご縁があり、家づくりをスタートさせることができました。
家づくりを進めていく中で、改めて強く思ったことがあります。

家づくりは間取りや断面構成、デザイン、工法の選択、設備の計画など、
家を形づくるために、いろいろと重要なことがありますが、
形にならないことで、もっと大きな意味があります。




家の素材となる木は、近くの森林で育ち伐り出された木を使いたいと思っておられる方は多いと思います。
北海道の林業産地で育てている木は、トドマツとカラマツです。
現在、戦後に植えられたトドマツとカラマツが大きく生長し、
家をつくる素材として適した大径木が、北海道の山々に多くあると聞きました。

私たちが実際に目にしたのは、
下川町のトドマツ伐り出しの土場と、下川町森林組合のトドマツとカラマツの製材工場。
そして、十勝 幕別町のカラマツとトドマツの製材工場。



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下川町は町内の民有林と町有林を、永久に木材を循環させるために、
60年を1サイクルとする計画的な育林と木材生産を実践しているそうです。
限られた地域の森林資源を巧く活かして、
その地域の生活を成り立たせ続けようという素晴らしい意志があるのです。

作業されているのが、若い方が多いのにも驚きました。
Uターンだけでなく、下川町の試みを知って Iターンされる方も少なくないとのこと。
下川町の試みがいろんな方々に共感されている証のように思います。






一方、十勝 幕別町のオムニス林産協同組合(瀬上製材所)。
ここでは、カラマツが年間 6万5000立方メートルも加工されているのだそうです。
でもそのほとんどはカラマツ梱包材、カラマツパレット、カラマツチップとなります。



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経営者の瀬上さんは、十勝で育った立派なカラマツ無垢材を、
梱包木材やチップとしてだけでなく、是非とも柱や梁、厚板として家の素材に使って欲しいと願い、
カラマツ無垢材の欠点であった「乾燥時に生じるカラマツ独特のネジレ」を防ぐ乾燥技術を、
林産試験場と試行錯誤して協同開発されたそうです。
しかも、カラマツ無垢材を使ってもらえるよう、良心的な価格に抑える努力も。



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オムニス林産協同組合でも、若い方々がたくさん働いておられました。
地域の生活、将来を見据えた経営の意志や熱意は、そういうところにも表れるもの。

こういった現場の数々に触れると、
建主さんも、設計者の私も、これを使いたいという思いがいっそう強まるのです。






さて、そういう思いで選んだ木材。
柱や梁に製材されたものが、いよいよ墨付けされ刻まれます。



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墨付けする大工さんの真剣な眼差し。



機械で粗加工した後にノミなどの手工具で仕上げ削りされます。
やはり、最終的には人がよく見て仕上げをしなければなりません。



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そして加工が済んだ柱と梁は現場に運ばれ、
一本一本、大工さんに組み上げられていきます。



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組み上がったこの家の躯体を改めて見上げて、いろんな方々の働く姿が思い出されます。
この家をとおしたつながりを見てきた私たちには、この姿は特別なものに映ります。
感無量。






天井板にオイルステイン塗装をする建主さんご夫妻。
家づくりを見守り、完成した家に暮らすだけでなく、
自ら作業に加わることで、しっかり家づくりの醍醐味を味わっておられました。



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家づくりは、いろんな物や人たちに支えられ出来上がっていくものですが、
地域の素材を使い、地元の工務店に頼むことで、その人たちの生活を支えていることにもなります。
家づくりの素材や作業の流れを追っていくと、そういう実感が湧いてきます。
どんな姿や形の家かよりも、もっとかけがえのないことかもしれません。

hausgrasでは、
この感覚をたくさんの建主さんに感じていただけるよう、
地域の素材、人材を活かす家づくりをコーディネートしていきたいと思っています。


それぞれの家族の家での暮らしは、その地域の生活とつながり、
そしてそれは、これからもずっと続いていく、この場の大きな時間ともつながっています。





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